ただの虫好きの日記

主に山口県東部でコウチュウやザトウムシ、アリやコナジラミなどを採集して遊んでいます。連絡先⇒kawaanago0305@yahoo.co.jp

山口県が模式産地のムカデ・ヤスデに関するメモ

同定などはサッパリですが、県内の標本が記載に使用された多足類の記載論文を何となく集めております。メモ的な感じでまとめたので公開してみます。

配列はめちゃくちゃです(面倒なので直すつもりはありません)。学名や解釈に誤りがありましたら、ご指摘お願いいたします。

 

 

ムカデ綱Chilopoda

イシムカデ目Lithobiomorpha

イシムカデ科 Lithobiidae

ナガトヒトフシムカデLithobius caecigenus (Miyosi,1956)

 ホロタイプは1♀。記載時はMonotarsobius属(亜属になってる)。

 山口県美祢郡 姫山がタイプ産地。秋吉台の姫山の穴と判断した。山口県で姫山というと山口市の姫山が有名らしい。

 

オオムカデ目Scolopendromorpha

アカムカデ科Scolopocryptopidae

ナガトケアシアカムカデOtocryptops capillipedatus inouei Miyosi, 1956(現在はケアシアカムカデScolopocryptops capillipedatus Takakuwa, 1936のシノニム?)

 処理された論文を見れていないので,ここに掲載してますけど、おそらくシノニムになって消えている。

 タイプ産地は山口県長門峡長門峡山口市萩市の県境にあるため、どちらの市かはわからない。 秋芳洞の周りや下関市の標本も記載に使われている。

 

ジムカデ目Geophilomorpha

ナガズジムカデ科Mecistocephalidae 

カゲキヨツメジムカデArrup akiyoshiensis Tsukamoto & Shimano, 2019

 タイプ産地は山口県美祢市美東町の景清穴。

 2019年に記載されたばかりの記載されたてホヤホヤの新種。

 

 

ヤスデ綱Diplopoda

オビヤスデ目Polydesmida

オビヤスデ科Polydesmidae

エトウオビヤスデEpanerchodus etoi Miyosi, 1955

 秋吉台秋芳洞がタイプ産地。

 高知女子大学石川重治郎先生達によって採集された標本がHolotypeとAllotypeに指定されている。

 和名および学名は、記載者の三好先生が本種の採集に来られた時に案内をされた恵藤一郎氏に献命された。

 九州から亜種が記載されている。

 

Haplodesmidae

キレコミヤスデRhypidopeltis sinuata (MIyosi, 1958)

    記載時はRhipidopeltis属。

 秋吉台の狸穴がタイプ産地。

 森川国康(愛媛大学)先生が採集した標本がHolotype。

 

ババヤスデ科 Xystodesmidae

ホシデアマビコヤスデRiukiaria semicircularis hosidei (Miyosi, 1952)

 記載時はRhysedesmus属。

 萩市がタイプ産地。

 山口大学寄生虫の研究をされていた星出兵馬先生が採集された標本を基に記載された。

 

タマヤスデ目Glomerida

タマヤスデ科Glomeridae

ウエノタマヤスデHyleoglomeris uenoi Miyosi, 1955

 美祢市秋芳町別府 百合野の穴がタイプ産地。

 採集者は魚住政二氏。

 

ツムギヤスデ目Chordeumatida

ホラケヤスデ科Speophilosomatidae

アキヨシホラケヤスデSpeophilosoma akiyoshiense Miyosi, 1958

 秋吉台の狸穴がタイプ産地。

 上野俊一先生が採集した標本が使用されている。

 

ホタルヤスデ科 Mongoliulidae

ヒメヤスデ目Julida

ナガトリュウヤスデSkleroprotopus ikedai Takakuwa, 1940

 秋吉台の大正洞がタイプ産地。

 池田美成氏が採集した標本が使用されてる。池田氏山口県でご活躍された植物屋さん。

 

ヒメヤスデ目Julida

ヒメヤスデ科Julidae

ナガフジヤスデAnaulaciulus longus (Takakuwa, 1941)

 記載時はFusiulus属だったが移動している様子。

 記載論文で採集地が「Akiyoshi 長門秋吉」とのみ記されている。同文献で他種の産地が「信濃下條」,「三河田原」という風に記載されているので、長門秋吉の長門長門国山口県西部)のことを指している思われる。

 本種についてはBITTZU氏からご教示いただきました。有難うございます。

 

 

他にトゲサキアマビコヤスデRiukiaria uncata (Haga, 1968)山口県美祢市長門市?)渋木の標本を基に記載されている様子(BITTZU氏、情報感謝です)。記載論文を見ていないので、ここには載せていません。

上記のトゲサキアマビコを含めると…少なくとも,ムカデ綱は3種・ヤスデ綱は8種が山口県の標本を基に記載されていることがわかりました。この11種のうち9種が秋吉台から採集されたものです。すごい…。

 

筆者は門外漢のド素人です。誤りのご指摘や抜けている種などありましたら、ご教示をお願いしたいです。よろしくお願い申し上げます。

 

 

・参考文献

三好保徳. (1952). 日本産倍足類及び脣足類の分類學的研究縦 4. ババヤスデ科の 1 新種と 1 新亞種. 動物学雑誌, 61(9): 281-282.

三好保徳 (1955) 日本産倍足類及び脣足類の分類学的研究縦 13. ヤスデの 2 新種について. 動物学雑誌, 64(6): 186-187.

三好保徳. (1955). 日本産倍足類及び唇足類の分類学的研究 14縦 イシムカデの 1 新種とヤスデの 2 新種. 動物学雑誌, 64(8): 267-270.

三好保徳(1956) 日本産倍足類及び脣足類の分類学的研究 : 17.エカドルヤスデ科の1新屬とヒトフシムカデ属の1新種. 動物学雑誌, 65(8): 311-314.

三好保徳 (1956) 日本産倍足類及び脣足類の分類学的研究縦 18. クビヤスデ科の 1 新属とアカムカデ属の 1 新亜種. 動物学雑誌, 65(8): 315-318.

三好保徳. (1958). 日本産倍足類及び脣足類の分類学的研究: 25. 秋吉台方面から得られたヤスデの 2 新種. 動物学雑誌, 67(10): 297-300.

Takakuwa, Y. (1940). WEITERE SKLEROPROTOPUS-ARTEN (DIPLOPODA). Annotationes Zoologicae Japonenses, 19(4): 289-293.

Takakuwa, Y. (1941) Die Fusiulus Arten (Diplopoda). Transactions of the Sapporo Natural History Society. 16(4): 218-226.

高桑良興・高島春雄 (1949) 華北山西省産多足類. 蜘蛛学雑誌, 11(3): 51-70. 

Tsukamoto, S., Shimano, S., Murakami, T., Hiruta, S. F., Yamasaki, T., & Eguchi, K. (2019). A new species of the genus Arrup from a limestone cave in Akiyoshi-dai, Western Japan (Chilopoda, Geophilomorpha, Mecistocephalidae). ZooKeys, 830: 33-51.